**************************************************** ・・・・・経営の現場から・・・・・ 【成岡マネジメントレター】(毎週月曜日発行) 第770回配信分2019年01月28日発行 これからの中小企業経営の重要課題 中小企業経営者に勧める7つの習慣:その4 〜資料整理の習慣〜 **************************************************** <はじめに> ・仕事柄、紙の資料やいろいろな形式のデータのファイルなどを山ほど預かっ たり、保管したりしている。もうこの仕事を始めて20年近くになるが、相当の 資料がたまっている。この資料の保管をルーズにやると探すのにとんでもなく 労力が要る。労力だけならまだいいが、我々に一番貴重な時間の浪費やムダを 生んでしまう。そういう意味では日ごろの整理整頓が欠かせない。すぐに目指 す資料が見つかるように、極力探さないでもさっと出てくるようにマネジメン トしないといけない。少しの工夫で最大限の効果が出るようにする。 ・まず、紙の資料の保管に関しては、ジャンル分けや業界などで分類しない。 よく大型書店に行くとジャンルで分けてあるが、最近は境界線が難しいジャン ルが多く、なかなか割り切って分けられない。従って、特に分野やジャンルで 分けるのではなく、会社名で分類している。会社名は、株式会社や有限会社を 外した社名で登録保管する。一時期、社名の50音順で並べていたが、どんどん 新しい企業の資料の保管が必要になると、その都度50音順に並べなおさないと いけない。図書館の方式だが、これは相当に手間暇がかかる。 ・一定期間そのようにやってみたが、すぐに諦めた。ずらす作業をするのに相 当の時間を要することが判明し、これは現実的ではないと感じた。よって、現 在は会社名の「あ行」「か行」「さ行」などの大きな分類でいったん収納し、 3か月ごとに全部取り出して非常に頻繁に使う資料と、あまり使わない資料、 滅多に使わない資料の利用頻度の3分類で分けている。非常に頻繁に使う資料 はデスクの傍に置く。あまり使わない資料は、少し離れた場所に置いてある。 滅多に使わない資料は、相当離れた紙箱のボックスに収納してある。 <自分自身でルールを決める> ・紙の資料ファイルは使った都度、重ねて置いてある中から抜いて一番上に移 動する。見るたびに一番上に移動する。そうすると、利用頻度が低かったり、 滅多に見ないファイルは自動的にどんどん下に移動することになる。そして、 一定期間経過するとデスクの横に積み上げた資料の3分の1から下は、ほとん ど見ていないことになる。3か月ごとにこれを点検して、この3か月間に全く 見ていないということになると、自動的にデスクの横から外して少々遠い場所 のファイル置き場に移送する。これを、面倒くさがらずに繰り返す。 ・つまり、時系列的にフィアルを自動的に並べ直すという作業を、無意識のう ちにやれるようにする。よくよく見れば、置いてある紙の資料の大半は不要な ことに気が付く。そこで思い切って捨てればいいのだが、これがなかなか捨て られない。成岡式の捨てる術は、原本を誰が持っているのかがわかる資料は、 原則手元に置かない。仮に必要になった場合は、原本を持っている人に声をか ければいい。自分が元を持っているなら、それはデータで保管すればいい。そ ういう紙の資料は持たない。 ・1年に1回は必ず全部の紙の資料の点検を行い、この1年間全く見なかった 資料を段ボール箱に閉まって格納、収納する。この段ボール箱が多くなり、将 来的にはどこかに永久に格納するか、廃棄するかを決めることになる。おそら く廃棄しても全く問題ないと思われるが、現時点ではまだ事業を開始して15年 くらいだから、まだ未練がましく手元に置いてある。近い将来、狭いオフィス に移転したら、おそらく大半の紙の資料は廃棄することになるだろう。大事な ことは、自分で最も効率的だと思えるルールを作ることだ。 <ファイルの名称の付け方を決める> ・データで保存してあるファイルは、ファイル名をきちんとつけるルールを決 めておかないといけない。成岡の場合は、すべて6ケタの番号をまずつける。 最初の2桁が西暦の下2ケタ。次の2桁は月度の2桁。最後の2桁は日の2 桁。つまり、そのファイルを作成したのが01月28日なら、190128という6ケタ の番号がファイル名の頭に来る。そして次には「アンダーバー」を付け、その 次から作成者の姓名と固有のファイル名を付ける。頭に作成日の数字の6桁、 アンダーバー、作成者氏名、固有の名称となる。 ・例えば、01月度の営業成績の資料を作成したとしよう。作成日が、01月31日 で、成岡が作成し、01月度の営業会議の資料なら、「190131_成岡01月度営業 会議資料」となる。アンダーバーを付けるのは、作成日の6桁の次にいきなり 数字が来ると分からなくなるからだ。このように、ファイル名を統一しておく と、フォルダーの中でファイルが整然とソートされて上から順番に並ぶように なる。古いファイルはフォルダーの上の方にあり、一番新しいファイルは一番 下に来る。すべてのファイルをこのようにコード化する。 ・そうすると、フォルダーの中で探すときに非常に探しやすい。あるいは、ど こに入れたか分からない場合、検索が非常に容易にできる。人間の記憶は曖昧 なことが多いが、おおよそその仕事をした季節くらいは覚えている。春だった か、夏だったか。それが分かれば、あとはファイル名の頭の数字を一定の範囲 内で検索すればいい。この方式は20年以上前からやっているが、ストレスを感 じるのは添付ファイルで他人からメールで送られてきたときだ。各自ばらばら に勝手にファイルの名前を付ける。非常に混乱する。 <すべては時系列で管理する> ・仕方ないが、他人から送られてきたファイル名は当方で収納する際に当社の ルールに従ってファイル名の書き換えを行っている。大学の講義での受講生と のやりとりや、診断士の実務実習の際の30名近くのメンバーとの添付ファイル による意見交換の際は、大変だ。こちらからファイルを送る際のファイル名の 付け方を見て、何か感じることがあると思うのだが、ほとんどの人はファイル 名を見ても、特に修正する様子も感じられない。こういうやり方をしないで、 いったいどうやってファイルの管理をするのだろうか。 ・フォルダーもいっぱい作ると分からなくなるので、1年間フォルダーの中の ファイルを使わなかったら、隠居さす。隠居とは、「保存用フォルダー」とい うのを造って、その隠居用のフォルダーに利用活用頻度が全くゼロに近いもの は移管する。紙の資料の保存、保管方式と同じだ。要するに、時系列的に並べ 使用利用頻度の少ない、あるいは皆無に近いものはどんどん奥に追いやる。そ して、最後はそのフォルダーごと収納用のフォルダーに格納する。たまに年に 数回、収納用フォルダーの中のデータを見に行くこともあるが、非常に稀だ。 ・大事なことは自分自身で最適と思える方法をルール化することだ。そして、 外部の他人から来たデータも同じように扱わないといけないので、面倒くさい と思わないで、こまめに名前を変更し、該当するフォルダーにソートしながら 格納する。整理整頓ができていると探すのに時間はかからないし、間違いも少 なくなる。乱雑になると限りなく乱雑になる。学校の窓ガラスと同じで、割れ たらすぐに取り換える。外の方に強制はできないが、このルールが20年近く やってきて、現時点では最適と思っている。あとは、やる気と根気だ。